●けん引一種
(けん引試験で使用される車両例(右側))
大型では物足りなかった人、仕事でトレーラー乗務の人、キャンプやマリンレジャーをするにおいて
トレーラーを引っ張りたい人なんかはこの免許が必要ですね。
けん引は何が難しいでしょうか?
けん引免許を取ろうという人(取った人も?)の意見はほぼ共通でしょう。
そう、後退です。通常のハンドル操作に入る前に逆にハンドルを切る必要があるわけですね。
単車(バイクの事じゃないですよ!)にしか乗っていない人には分からない現実です。
慣れてしまえば何て事はないんですけどね(^_-)。何も考えずに自然と体がやってくれるものです、以外と。
例えば左側にバックをしようとする場合、通常なら左にハンドルを切るわけですが、
トレーラーはまず反対側の右に切らなければいけません。俗に言う逆ハンドルです。
トラクタと台車がけん引関係(ピンを引っかけてるだけ)にあるためです。
(トレーラーの連結装置例。左:カプラ、右:キングピン
トレーラーは自車のカプラで台車のキングピンを引っかけて走っているわけです。感謝!画像提供:kockyさん)
左にバックをすると言うことは車体の後部が左、前部が右に行かなくてはいけません。
(ここで前部も左に行ったらえらいことになります。車が真横に動くことになりますから。)
トレーラーの台車をこの状態に持っていこうとするならば、トラクタはあらかじめ右にバックして
あげなければいけません。
ハンドル右で後退=(トラクタ前:左)→(トラクタ後:右)→(台車前:右)→(台車後:左)
この公式です(なんじゃそりゃ(^_^;)。さて、これで終わりじゃないですよ。
次は立て直しです。上の公式のままではトラクタと台車はどんどん角度を小さくして折れます。
俗に言うジャックナイフ現象です。トラクタと台車の角度がある程度になったら、
トラクタを左後退に切り直し、それ以上折れない伸びない(角度が一定)状況、
いわゆるロック状態に持っていきます。そして今度は、バックで入った時の真っ直ぐの位置に
合わせて見計らい、ロック状態を解き一気にトラクタを右へ振っていきます。
台車が真っ直ぐになった頃にトラクタを真っ直ぐに戻そうと思っても、それは無理な話です。
このタイミングですが、ここでは台車を見ずにトラクタを気にします。つまり
「ここでトラクタを戻さないと、あの位置でトラクタが真っ直ぐにならない。」のタイミングです。
台車よりもトラクタが先に真っ直ぐになりそうなら戻ろうとしているトラクタのハンドルを緩めてあげます。
台車の方がトラクタよりも先に真っ直ぐになるようならそのままトラクタを戻し続けます。
それでも先に台車が真っ直ぐになってしまったら、そのままトラクタを逆に振ってあげます。
あとは調整してください(うわー、いきなり冷たい完結(^_^;))。
また、大型のページでも説明したエアオーバ式ブレーキですが、トレーラーはフルエアー式ブレーキとなり
100%エアー圧制御のブレーキになります。とは言っても、教習所によってはまだまだ
2トン車ベースの牽引車を使用しており、その場合は油圧式のブレーキですが・・・。
エアオーバ式ブレーキを使えたならば、現在のフルエアーブレーキは問題なく使えると思います。
その感覚ゆえ、日本でなかなか好まれなかったそうですが、最近のトレーラーでは全く違和感がありません。
と、僕は思ってるんですけど、最近乗っている中で(^^ゞ。
さて、最後に試験場(教習所)にあわせて実際の左バックの説明をしてみたいと思います。
なお、GIFアニメーションによる説明もあります(注:DLに1分弱掛かったりします。)
1,バックで入れようとするスペースから台車一台分ほど前進、中央より少し左に停車。
2,ほんの少し(ハンドル半回転)右に切り後退を始める。
3,トラクタと台車が折れ始めたらすぐにハンドルを戻し、トラクタを直進バックさせる。
4,そのままバックすると徐々にトラクタと台車が折れていきます。
おそらくこのまま行けば折れながら自然に台車左後輪が角に寄っていくと思います。
角度が135度(運転席後部窓から台車の左側面が見えた辺り)になったらハンドルを一回転半
左に切る(つまりトラクタと台車との角度を維持できる場所を探してください)。
5,トラクタ左後輪が角を通過する辺りから残っているハンドルをいっぱいに左に切ります。
このとき折れるくらいいっぱいに切ります。
6,台車、トラクタ、縁石を見ながら調整してこの3者を真っ直ぐにあわせて終わりです。
このときのコツですが、まず台車左後輪が角のすぐ近くを通過することが第一条件です。
そのために上記3,の時に角から離れそうなら再度ハンドルを右に、、、脱輪しそうなら左に切って
調節できます。次に上記2,について補足ですが、あまり右に切りすぎるとトラクタが首を振りすぎて
狭い通路内で立て直しが困難になります。トラクタはなるべく通路内の中央を真っ直ぐバックしていくのが
ベストです。
あとは例のごとく法令運転です。
なお、けん引自動車の試験には、クランク通過、坂道発進、縦列駐車はありません。
「でも縦列も知りたいのよ!!」と言う方などおられましたらメール下さい
また方向変換の際に、一種の場合トラクタと台車が概ね真っ直ぐであること、
二種の場合トラクタと台車が縁石にほぼ並行であることが要求されます。
なお、このページの内容についていかなる責任も問いません。「試験に落ちたぞー!!」と怒られても
対処しかねます。苦情は受け付けませんので悪しからず。